フラワーボックスを、外壁に取り付ける場合があります。外壁が仕上がってから後付けします。強度上の問題と、雨漏りリスクの2点が、問題となります。
外国を旅行して、街並みを散歩していると、窓の外に、きれいに花を飾ってある光景を目にします。日本では少ないようですが、その光景に憧れる人が多く、新築時には是非ともというわけで、フラワーボックスを設置します。入居者も最初はがんばりますが、まもなく使われなくことも多いようです。他の人が花を飾らなければ、右へならえになります。使わないものをわざわざ取り付ける必要はないのですが、メンテナンス点検時に既に付いてあれば、そのままになります。
下地の効くところ(柱や桟の位置など)、木部をねらってビスで固定します。下地のないところにカラで固定してはいけません。中にはサイディングだけに、固定する人もいますから恐ろしいです。最近の建物のサイディングは、通気工法を採用しますから、胴縁と呼ばれる木材で通気層を確保する場合には、その胴縁の位置なら固定できます。通気層の確保が金物でなされる工法では、通気層の厚み分はビスが効きませんので、固定としては弱くなります。
フラワーボックスは、後から外壁に取り付けるため、建物の耐久性上、強度上は取り付けないにこしたことはありません。下地に強固に、固定できているか、下地の位置がビスと、ズレているかもしれません。ゆすると動くことがありますが、下地の位置が不良でしょう。
フラワーボックス本体は、外壁から張り出した形で固定するため、強度上は、強いものではありません。出が大きいほど、モーメント効果により不安定になります。仕上がった後から、下地の位置を正確にだすことは難しいものです。
文字通り花、植木鉢を置く程度のものです。重量物を置くことはできません。フラワーボックスに、人が乗ることはできません。小さな子供さんでも危険です。安全第1です。本当は、安全第1、品質第2、生産第3といいます。
外壁の下葺き材を貫通して、ビス固定するため、穴をあけています。防水材を破るわけで、当然に雨漏りリスクは高まります。外壁通気層の有無にかかわらず、強度上大きなビスを使用することになり、ビス穴の大きさからして、その周辺の雨水は、浸入する可能性があります。下葺き材には、雨水が流れていることになっています。下葺き材を固定するタッカー跡などの小さな穴からも、雨水は浸入することがありますから、太いビス穴から浸入しても不思議ではありません。下地の木部の腐りになり、荷重がかかったときに一気に落下するかもしれません。
建築では、しばらく様子を見るという言葉をよく使います。問題点の先送りですが、とりあえず延ばします。その場は楽になりますが、時間の問題です。劣化の程度がよくなることはありません。劣化を放置すると、一気に問題がおこることがありますから、メンテナンス担当者による、定期的な点検が必要です。
フラワーボックス取付け
鋼製のフラワーボックスを外壁サイディングに取付けました。固定方法と雨漏りが問題となります。
Comments