●● −お客様が自分勝手に思う二度と行きたくないお店− 宝塚市 喫茶店●●    

 バブルの頃、アメリカの不動産を購入することが流行りました。日本全土を売ればアメリカが4つ買えるといわれました。今から思えば、あのころは良かったですね。あれから地価が下がり続け、半値八掛け五割引とまでいわれ、やがて適正な地価におさまるのでしょう。日本の不動産の評価では、その土地の利便性として、駅からの距離・都心からの距離が重要ですが、アメリカの不動産では評価が違います。アメリカでは評価項目が3つあるといわれます。1つ目がロケーションです。2つ目が何だと思いますか?そう、やはりロケーションです。3つ目もやはりロケーションです。そうです、ロケーション、ロケーション、ロケーションです。高台にある・夜景がきれい等、斜面にへばりついて住むことを好みます。これが自分に優しく他人に厳しい偉大なる民族といわれるアメリカ人の好みです。このロケーションで売っているのが、この喫茶店です。高級喫茶店で客層は車でくるカップルが大半です。見晴らしがよいので、ロマンチックな気分に浸れるということです。もっとも私はこの見晴らしがそんなに素晴らしいとは思っていません。もっと素晴らしい場所があるからです。私の自宅です。私も高台の見晴らしのよさに憧れて、今の住まいに引越しました。近所はアメリカ人が比較的多く住んでいます。夜景を眺めながらビールを一杯飲むのはなかなかのものです。「夕食のおかずが少ない」と文句を言いますと、奥様から「夜景を見ながらごはん食べとき」と言われます。自己満足はしていますが、不便性は如何ともし難いものがあります。日本人には好まれないかも知れません。お蔭様で地価は大いに下がり続けています。あくまでも自宅であって投資物件ではありませんから、まーそれはどうでもよいことですが。

 昔の上司の送別会を男性ばかり4人で神戸の諏訪山にあるフレンチレストランで行いました。このレストランは素晴らしかったので、ここではテーマから外れますので省略します。その後、ドライブを兼ねて宝塚まで行って気分良く夜のティータイムをしようということになりました。そう、この有名な喫茶店を目指したのです。途中のドライブウェーコースは少々カーブが多く、この上司は車に酔ってしまいました。既に真ん中位まで来ているので引き返すこともできず、そのまま行きました。休憩をとりながらやっとの思いで到着し、店内に入りました。ちょうど屋外のテーブルも空いており、そこに座りました。季節は秋でしたので、屋外は少し寒く感じました。大して美人ではない中年のウェートレスが来て、まず水をだし、注文を聞きました。まず我々3人がグレープフルーツジュースを注文しました。ところが上司は「少し酔ったから、いらない」といいました。人数が4人で水が4、これは無料として、グレープフルーツジュースを3注文しました。私は高級喫茶店で評判のよい、流行っている店ですからこれでも大丈夫と思いました。そしてウェートレスが戻り、寒いからと膝掛け毛布を持ってきてくれました。「さすが」と感激した私です。しばらくしてからウェートレスが戻ってきて、とんでもない言葉を耳にしました。「4人だから4つ注文して下さい。」とのことです。これは店のオーナーか店長の指図でしょう。多分ウェートレスの責任ではないでしょうね。店側の論理です。接客業に携わる者の言葉ではないとカチンときましたが、気分よくしているときに他の人に気まずい思いをさせたくありませんから、「あーそうですか、じゃーグレープフルーツジュースもう1つ」と私。3人で飲みだし、しばらくすると上司が「わし、いらんからあんたたち分けて飲んでよ」と気を使いました。そのときに私が言いました。「この1つには一切、手をつけないで、そのまま全部残しましょう」と。途中ウェートレスが何回か、誰も飲まないグレープフルーツジュースの入ったコップを見ていました。そして最後まで誰も飲まないまま、そのままの状態でした。すっかり氷が溶けて溢れそうになっていました。最後に店をでることになり、4人分の代金をきっちりと清算し、何事も無かったかのように車に乗り、走り去りました。

 言うまでもありませんが、そのとき以後この店には行ったことがありません。この店の近所にある別のお店にはよく行きますが。この店のおかげで、別のお店はそんなに流行っていませんが、それなりのサービスと雰囲気で私はよいお店だと思っています。沢山の人に、この店には行かない理由を話しました。そして別の店に行きます。でもデートコースとしてこの店はよく流行っています。きっと評判がよいのでしょう。そして内容以上に流行り過ぎる店は強気です。強気の店はお客様にとっては、けったくそが悪いのです。(備後守)