●● フット イン ザ ドア テクニック ●●
フット・イン・ザ・ドア・テクニック

相手の承諾を得たいとき、単純に要請するよりも、まず小さな要請をし、その後に大きな要請(本来の要求)をするほうが承諾を得やすいことが分かっています。

このように段階的に要請を行う承諾誘導の手法で、段階的要請法ともいいます。
人は一度何らかの要請を承諾すると、二度目の要請を断りにくくなります。
そのため、はじめの小さな要請に応じると、その後の大きな要請にも応じやすくなるのです。

小さな要求をした後に、大きな要求をすると、大きな要求の応諾率が上がるという現象で、もともとはセールスマンが、訪問先に上がりこんで説明を聞かせることができれば買わせるのは簡単であるというところからきています。

人は最初の要請に対しての選択は自由です。

承諾することも拒否することもできます。

しかし、最初の要請を承諾してしまうと、次の要請に対しては自由ではなくなります。

最初の承諾に拘束されるのです。

なぜ最初の承諾に拘束されるのでしょうか。

それは人が一貫性のある行動をしたいという欲求を持っているからです。

私たちの社会において、一貫していることは望ましく、一貫していないことは望ましくないと考えられているからです。

行動に一貫性がない(言っていることとやっていることが違うなど)と「よく分からない人」「信用できない人」「表裏のある人」だと見られてしまいます。

それに対して、行動に一貫性があると「知的な人」「誠実な人」「信頼できる人」と判断されます。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、この一貫性の原理を利用しています。

最初の小さな要請を承諾して、その後の大きな要請を断ることは、「一貫性のない行動」です。
一貫性を保つには、大きな要請も承諾しなければなりません。
そのために自分の中に「逆らいがたい強制力」を感じるのです。

交渉に際して、一度譲歩してしまうと、次は譲歩してもらえるような気がしますが、そんなことはありません。

更なる譲歩を迫られることになりかねません。

(玉水タマ)