●● ピーターの法則 ●●
ピーターの法則

L・J・ピーターという社会学者が提唱したもので、「階層からなる社会においては、その構成員は能力によってだんだんと上の階層に上がってゆくが、最終的には無能のレベルに達する」というものです。

ピラミッド構造になっている組織(階層社会)では、能力がある人は、たぶんこの人ならもっと上のレベルの仕事をこなせるはずだと周りから期待されて、だんだんと昇進していきます。
しかし、人間には一人ひとり能力の限界がありますから、昇進の結果、能力以上の仕事を任されたとき、ついには適切な遂行ができなくなります。
これを無能レベルに達したと言います。

そこで、本人か、周りの責任ある立場の人がそれに気づいて降格などの対処をすれば、ふたたび適切な状態に戻るのでしょうが、現実はなかなかそうならないので、たいていの場合、無能レベルのまま放置されることになります。

こうして、一つの組織が、無能レベルの人ばかりで構成されるようになると、その組織はいずれ崩壊していきます。
それは、個人にとっても、組織にとっても不幸なことです。

では、無能レベルに達しないためにはどうすればいいかというと、ピーターは、「創造的無能のすすめ」という言葉で、個人の能力が発揮できる段階(レベル)で、なんとかして無能のふりをすることを提唱しています。
周りから見破られずにふりをすることは、実際はかなり難しいことでしょうが、傾聴に値する提言ではないかと私は思っています。

ところで、「ピーターの法則」は個人レベルの無能について論じているのですが、梅棹忠夫さんは、さらに、日本という国がそういうレベルに達しているのではないかと言っています。
『わたしの生きがい論』の中で、「経済力はどんどん充実しているし、お前のところはもうちょっとしっかりしてもらわなければこまるな、などというおだてにのって、一段上の階層にすすんだら、こんどはひどい目にあう」と書いています。

「ピーターの法則」から幾つかを紹介しましょう。

「時がたつに従って、階層社会のすべてのポストは、その責任を全うしえない従業員によって占められるようになる傾向がある」

「仕事は、まだ無能のレベルに達していない従業員によって遂行される」

「社会は、あらゆるポストが無能な人間によって占められて安定する」

「生まれつき無能な人もいるが、努力して無能になる人もいる」

「時がたつに従って、階層社会のすべてのポストは、その責任を全うしえない無能の構成員によって占められるようになる傾向がある」

「自分が極めて優秀な人間であるという自信がない人はあまり、上昇思考を持たない方がよい」と諫めているのです。

(bingoo)